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久しぶりに撮影機材のレビュー記事になります。
メインで使っているカメラをα7Rからα7IIへ乗り換えました。以前の「天体のメソッド」の舞台探訪記事で新機材のことについて少し触れていましたが、実は買い替え自体は今年の5月のことで、こいつのフォトレビューはすぐにでも載せようと思っていたのですが、いろいろなものをじっくり撮って前代のα7Rとの違いを感じながら書いていきたく…というつもりがいろいろと忙しくてじっくり文章に書き起こす時間がなく、購入からすでに半年が経過した今になってしまいました。

軽量・コンパクトなミラーレスに「フルサイズ」という選択肢。ミラーレス一眼市場に一石を投じたα7シリーズの発表から3年が経ち、Aマウントα77の後継機「α77II」の発売を皮切りに「α7RII」「α7SII」と、αの一眼カメラにもついに新機能を盛り込んだ「II型」がラインナップに並ぶようになっています。先日のフォトキナ2016でもついに「α99II」が発表され、息を止めたと言われていたAマウントのフラグシップが刷新されましたしね。

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買い替えの理由を挙げるなら、今まで使っていたα7Rのシャッターユニットの不調が続いたこと。あとは単純ですが、そろそろ「5軸ボディ内手ブレ補正」が欲しくなってしまったことでしょうか。かつて私が微速度撮影映像を作っていた頃に一本何千枚という単位の連写で酷使していたということもあり、いざ「シャッターチャンスだ!」と思ってシャッターを押し込んでも「カメラエラー」がディスプレイに表示されてシャッターが切れず、撮りたい写真が撮れないという現象がたまにありました。

不具合の出始めはまだ我慢出来る範囲だったのですが、それが「α7RII」と「α7SII」が発売された頃から頻発するように…(まるで「そろそろ新型に買い替えろ」と神のお声が聞こえるようですが…)シャッターユニット交換の修理に出してそのまま7Rを長く使っていくのも良かったかもしれませんが、私が使うレンズによっては前述したように「手ブレ補正」が欲しくなる時があるのです。

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ここ最近からアニメ作品の舞台探訪を本格的に(だけどゆるく?)やるようになって、以前にも増して日本全国いろいろなところへ撮影旅行へ出かけるようになりました。一般には「聖地巡礼」と言われていると思いますが、旅先のアニメ舞台での観光もさることながら、作中のシーンと同じ場所に立ち、ジッと構えて作中と全く同じ角度・構図で実際の風景を撮影する「カット回収」は聖地巡礼の楽しみの一つであったりします。

その舞台探訪でカット回収を行う際、だいたいの作中カットは標準域のレンズで足りるのですが、望遠レンズで撮りたいとなるとちょっとした問題が。私が望遠域で愛用している「70-200mm」はAマウントのレンズで、α7Rに装着した場合にボディ側・レンズ側どちらにも手ブレ補正機構が無い状態になるのです。この問題はα7シリーズが発表された当初からかねてより言われていたもので、初期型のα7ユーザーは対策としてはレンズ側に手ブレ補正機構の入ったレンズを使うしかないのです。こうも舞台探訪の旅先なんかで望遠撮影をする機会が増えると、そろそろ手ブレ補正機構の入ったII型が欲しく…欲しく……ほしく………


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と、前置きが長くなりすぎましたが、以上がα7II買い替えに至った言い訳動機です。フォトレビューに入ります。本体の写真は洞爺湖へ数回撮影で持ち出してからレビュー記事用に撮影したものなので、マウント部やファインダー部分など細かいところに使用感が見られますがあしからず。

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5軸手ブレ補正機構を搭載したことでボディサイズが大きくなりました。 また、これまでのα7シリーズは表面がつやつやしていましたが、II型では表面がシボ加工になりました。つやつやボディもけっこう好きだったのですが、シボ加工も傷が目立ちにくくなるので良いですね。II型の登場当初はこの表面加工や手ブレ補正機構の搭載で、よく「Aマウントの終わりの始まり」なんかと言われていたものです。α99IIの発表でAマウントは息を吹き返しましたけれどw

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背面側

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α7RIIやα7SIIだとこの左肩のMENUキーの上にロゴが入るのですが、7IIだと無印です。ファインダーのアイピースカップはα7IIの標準のものではなく、α7RIIとα7SIIに採用されている薄型の「FDA-EP16」に付け替えています。カメラバッグやリュックに収納する際に当たりが少なくなって良いです。

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左側面
端子キャップの位置がα7Rで縦並びだったのに対し、α7IIでは横並びに。α7RII・α7SIIでは給電しながら撮影が出来るようですが、α7IIでは対応していません。SONYのミラーレスはただでさえバッテリースタミナが弱いので、冬の氷点下の中で星空を連写撮影したい、といった時は縦グリ装備でもバッテリーが全然持ちません。正直USB給電はα7IIでも対応して欲しいところですが、これは上位機種との差別化なのでしょうかね…

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液晶はII型になっても相変わらずのチルト可動式。「上下にチルトすれば十分でしょ?」という声が聞こえてきそうですが、縦位置のローアングルなんかで撮影したい時、この可動方式だとまるで役に立たないのです。Aマウント機のα99やα77のような三軸バリアングル液晶を搭載してほしいところ。
ちなみに、液晶には保護ガラスの「GRAMAS エクストラガラス for SONY (α7RII/α7SII用)」を貼っています。α7II用のガラスもあるのですが、これだとガラスの外枠が黒色で液晶のSONYロゴが見えなくなってしまうのです。SONY純正の保護フィルムを使っているとすぐに傷だらけになってしまっていたのですが、こちらは半年使った今でも目立つ傷無く綺麗です。

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細かな変更点が続きますが、メモリーカードスロットも変わりましたね。α7Rではカバーを開けて手前からカードを挿入する形でしたが、α7IIでは右側面から挿入するようになっています。

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軍艦部はカスタムキーが一つ増えて、

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シャッターボタンの位置が軍艦部からグリップ部分のところに来ています。グリップした状態の自然な人差し指の位置にシャッターボタンがあるので、この改良は良いですね。

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α7IIになってマウントの爪が金属製になっており、重量のある望遠レンズを装着してもガタツキがなくなりました。ボディ内手ブレ補正機構を搭載したことでAマウントレンズ資産も活かせるようになったので、やっぱり重たいレンズが多いAマウントレンズの使用を考えての設計なのでしょうか…「35mmフルサイズここにあり!」と主張するシナバーカラーのリングはしっかりと。


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前置きで紹介しませんでしたが、ボディの買い替えに合わせて実はレンズもアップグレードしてしまいました……

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Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 2.8/24-70 ZA SSM II
いずれAマウント機の「α99II」が出るであろう、と来るかもわからない未来に備えての先行投資とでも言いましょうか…購入した当初はまだ発表すらされてなかったんですけれど、つい最近フォトキナで発表されてめでたく11月下旬の発売が決まりましたしね。ただ「G Master」の24-70mmと激しく迷っていた時期があって、ここでFEレンズの標準ズームの中でフラグシップとも言えるGMシリーズに手を出してしまうと、今後本当にEマウントから抜け出せなくなってしまう気するんですね。「αユーザーならZeiss銘レンズを使っていたい!」という拘りも無いわけではないですし。

アニメ作品の舞台探訪で各所に出かけるようになってからα7Rの身軽さにすっかり慣れてしまい、鉄道や飛行機などの動体は望遠撮影専用機のα77が出番のはずなのですが、望遠撮影ですらα7Rでこなしてしまうのでα77の出番がここ最近ではさらに少なくなりつつあります。今後このまま「フルサイズミラーレス」にどっぷり浸かったままα7RIIへ、はたまた「AマウントはMINOLTA時代からの伝統だろう?」ということでα99IIへシフトするのか、気になります。(誰が?

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こちらのレンズも去年α7RII・α7SIIが発表された頃に出たばかりの新しい「II型」です。外観の違いはT*コーティングの改良がされていたりSONYのロゴの位置など、見えるところは微妙な変化ですが、AF速度が格段に速くなっています。SSM搭載なので前代もそこそこ速いですが、店頭のデモ機で比べてみた感じではII型では体感3〜4倍は速くなっていると思いました。またAF動作音も静かになっていて、前代では「ジーーーーッジーッ、ピピッ(合焦音)」だったのが、II型では「スッ、ピピッ(合焦音)」といった感じです。これも分かりづらい例えなのですが、iPhone 5sとiPhone 7のTouchIDの認証速度ぐらい違います。

また、α7シリーズのボディと同じく防滴・防塵仕様になりました。

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ZEISSロゴの下にフォーカス切り替えスイッチと、フォーカスホールドボタン

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花形フードを装着。フィルター形はΦ77mmなので、今まで使ってきたC-PL・NDフィルターやクロスフィルターを流用できます。

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これまで使ってきたFEの24-70mmはすでに下取りに出してしまっていたので、だいたい同じサイズの16-35mmと比較。全長はフード一つ分ぐらい違いますね。重量は426g→974gへアップ。重量が増えた分、全域でF2.8のボケ味が得られると思えば重たいとは感じません。もとより普段から縦グリを付けて重たいレンズを振り回しているので、標準ズームレンズがF2.8通しになったところで重さはネックにはなりませんでした。そういえば、F2.8通しの標準ズームレンズはかつてα57がメイン機だった頃に使っていたSIGMAの17-50mm以来ですね。

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早速α7IIに装着したいところですが、

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Aマウント→Eマウントへ、マウントアダプター「LA-EA3」をかませます。TLM搭載のLA-EA4を選ばずにLA-EA3にしたのには理由があって、少し前のα7IIのファームウェアアップデートで、TLM非搭載のLA-EA3でも像面位相差AFが使えるようになったためです。わざわざLA-EA4のTLMで限られた測距点だけでAFを行うよりも、α7IIの位相差AFエリアを活かせるLA-EA3の方が良いですしね。Aマウント機と遜色無いAFスピードでスパスパ合焦してくれますが、α7IIはAマウントレンズを位相差AFで撮影する際、合焦パターンにちょっと癖があるかもしれません。

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こちらがレンズのAマウント側で、

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反対がボディのEマウント側。

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LA-EA4と違ってTLM非搭載なので、コンパクトです

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α7IIに装着するとこのように。軽量・コンパクトが売りのフルサイズミラーレスに、もう本末転倒も良いところですけれどw

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一見するとかなり長くなったように見えますが、これでG Masterの24-70mmとほぼ同じ全長になっています。


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例によって、縦位置グリップ(VG-C2EM)も購入しました。初期型とII型でボディサイズに違いがあるためで、縦グリもII型専用の新しいものになっています。ボディに合わせて表面がシボ加工されているので、縦グリを付けてもデザインにちゃんと一体感があります。縦位置撮影する時はもちろん、F2.8通しのレンズや望遠レンズなどの重たいレンズを使って撮影したい時は縦グリを付けることで安定感が生まれるので、必須アイテムですね。

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当たり前ですが、縦位置で構えた時も同じようなボタン配置になっています。

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カバーを開けて青いレバーを引くと、

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トレイが出てくるので、こいつにバッテリーを装填!

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本体のバッテリーカバーは外して、

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縦グリ側にはめ込んで使います。

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縦グリを装着してようやっといつもの相棒の姿になりました。α7シリーズはボディが角張っているので、縦グリを装着すると綺麗な正方形になります…w

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背面はこのように

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例によって今回も写真が多くなってしまいましたね…次回のレビューで作例のスナップや半年使ってみて感じたα7Rとの違いをまとめます

Hi-res.☛https://flic.kr/p/MLj9fa


Camera: SONY NEX-7
Lens: SONY E 18-55mm F3.5-5.6 OSS
Lens: SIGMA 105mm F2.8 DG MACRO HSM
Lens: Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZF