イヤホン, レビュー,

2015年度もDaily Kéitaismをよろしくお願いします。

さて新年一発目のエントリーですが、まずは購入レビューでいきたいと思います。カメラネタではなく、久しぶりのイヤホンネタになります。去年11月に登場したFEマウントの広角ズーム「SEL1635Z」を入手して以来どうもカメラのレンズ欲は収まってしまったようで、移動中はあれほど欠かさずしていたマップカメラの中古在庫チェックもめっきりしなくなりました(笑) そのぐらい今の手持ちレンズに満足しており、その代わりに最近はイヤホン沼に引きずられつつあります。イヤホン沼というと去年の10月にWestoneのW20に買い替えを行ったのを皮切りに、リケーブルを施してしまったあたりからその兆候はありました。(※ブログのエントリーには書いていませんが、同時期にSONYのポタアン「PHA-1」を導入済み)

見ての通りオーディオ沼に溺れまくりな日々ですが、年越し前に臨時収入があったので、前から目を付けていたSONYのハイブリッド型イヤホン「XBA-A3」を購入しました。初売りでお祭り騒ぎと化したヨドバシ札幌で購入してきましたが、思えば初売りで大きい買いものをしたのは初めてかもしれないですね…毎年三が日はバイトか家でのんびりして過ごしているので。

SONYのイヤホンはW20の前に使っていた「XBA-30iP」以来となります。正直なことを言ってしまうと、W20だと音楽をじっくり真剣に聞きたい環境では低音が物足りないんです。Westoneの音作り自体がバランス重視の「万人が聞きやすい」チューニングなので、そこを覆すとなるとイヤホンの買い替えしかないわけで…音自体の解像感は全然満足しているのですが、家でじっくり聞くとなると低音が物足りない。低音増強のためにFURUTECH(ADL)の「iHP-35M」にリケーブルをしてみたり、イコライザーで調整してみたりとなんとか凌いでいましたが、やっぱり低音域の音圧がやんわりしすぎてつまらないんですね。

W20に買い替えをしたちょっと後ぐらいにSONYからイヤホンの新モデルが登場し、その中で気になっていたXBAシリーズの上位モデル「XBA-A3」はダイナミック型とBA型を組み合わせたハイブリット型と呼ばれるタイプに属するイヤホンで、きめ細やかで解像感のある高音域と深みのある迫力の低音域が売り。正直移動中のリスニングに関してはそこまで音質を求めないので、出先や移動中ではW20、家のデスクでの作業中はXBA-A3を使おうというスタイルでいくことにしました。

以上、XBA-A3の購入に至った言い訳をつらつらと書き連ねましたが、写真レビューに移りたいと思います。

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XBA-A3のパッケージ。ハイブリッド型であることと、ハイレゾ対応であることをデカデカと主張。

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2世代前のXBA-30iPと比べると白地のシンプルなパッケージに変わって、良いですね。

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開梱しましょう。

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化粧箱の作りはまぁまぁ。ざらざらとした手触りです。

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パカッと開けると、XBA-A3本体がこんにちは

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イヤホン本体のさらに下に各種付属品が入っています

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付属品一覧。左上からキャリングケース、コードアジャスター、シリコンフォームイヤーピース、ハイブリッドイヤーピース、4極端子のリモコン付きケーブル、イヤホン本体と3極端子のケーブル。

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3極端子のケーブルはイヤホンに最初から取り付けられています

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こちらはAndroidやiPhoneのリモコン操作に対応した、4極端子のケーブル。XBA-30iPのリモコンのような四角いデザインではないんですね…着信対応や再生・一時停止の操作のみで、曲送りや曲戻しボタンはついていません。

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「シリコンフォームイヤーピース」という初めてなものが同梱されておりました。隙間にシリコンがつめられています。XBA-30iPには、隙間にスポンジが詰め込まれたノイズアイソレーションのものが付属していましたが、新しくなったんでしょうかね

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2基のBAドライバと大口径16mmのダイナミックドライバを搭載しているということもあり、ハウジングはかなりの大きさ。XBA-A3も基本はSHUREやWestoneのような「SHURE掛け」ですが、ハウジングがドデカいので、耳に装着する際は最初は違和感たっぷりだと思います。これは慣れですね。

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一世代前のXBA-HシリーズからMMCXを採用しているみたいですね。SONYの場合は特殊で、独自仕様のMMCX端子を使用しているっぽいですが、端子の根元にプラ製のロック機構が付いただけなので、普通のMMCXケーブルへのリケーブルも可能です。XBAシリーズのリケーブルについては、eイヤホンのブログで詳しく紹介されています(☛こちら)

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イヤホンジャックのデザインはSONYのロゴも入って、XBA-30iPよりだいぶマシになりましたね

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内側ふさふさのキャリングポーチ

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XBA-30iPのキャリングポーチと比べるとずいぶん大きくなりました。マジックテープや内ポケットまで付いていますし。

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XBA-A3とXBA-30iPのハウジング部の比較。XBA-A3はもう全然大きいですね。iPhone6とiPhone5sぐらいの違いでしょうか(分かりづらい

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厚みはこんな感じ。XBA-30iPはBAドライバー3基(フルレンジ+ウーファー+トゥイーター)、XBA-A3はBAドライバー2基(フルレンジ+HDスーパートゥイーター)と16mmダイナミックドライバー1基を搭載。

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Westone W20との比較。耳にすっぽりハマるW20に対して、XBA-A3は同じSHURE掛け型でも耳から飛び出す感じになります。鏡で見ると自分の耳からデカブツがにゅっと飛び出していて、何かアホっぽいです。とても移動中に使おうという気にはならないですね…もっとも使用中は自分の顔など見ないので、外見についてはこれは聞く人次第ですね(笑)

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ここからは実際に聞いてみた感じを書いてみたいと思います。試聴レビューのために念入りに聞いた曲は、

♪ 優しさの理由 / ChouCho
♪ リンクス / 三澤紗千香
♪ 茜色の約束 – Acoustic version. / いきものがかり
♪ CROSS THE SKY / EGG BRAIN
♪ めざせポケモンマスター’98 / 松本梨香
♪ Monarchy of Roses / Red Hot Chili Peppers

の6曲。手持ちのCDから.aiff(44.1kHz/16bit)で取り込んだものを、SONYのポタアン「PHA-1」を通してMacのiTunesで試聴しました。

XBA-A3を聞いてすぐに感じるのは繊細で解像度の高く伸びのある高音域と、ドンドンと響き迫力がある中にもしっかり芯を持つ低音域。周波数帯域が3〜40,000Hzとハイレゾに対応していることもあり、W20では聞こえなかった音を聞くことができました。

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高音域の解像感は流石です。ライドシンバルやハイハットの粒立ちはもちろん、シンバルやハイハットオープンの振動を生々しいまでに聞き取ることができます。シンバル系のアタック音もさることながら、余韻まで聞き入ってしまうほどです。「リンクス(三澤紗千香)」のサビで、タンバリンがシャラシャラ鳴っているのがXBA-30iPでは中音域に埋もれて聞きづらかったのですが、XBA-A3では余裕です。開梱してすぐの試聴では高音域や女性ボーカルのサ行が刺さる感じがあり、約30時間ほどエージングを施してみるとこれらは解消されました。ハイレゾ対応というとで、高音がシャリシャリとややうるさく聞こえる方もいると思いますが、これは好みが分かれるところだと思います。

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低音域は「これぞ」という音を鳴らしくれますね。本当にドンピシャです。バスドラのキックやタムロールは力強いアタック感の中にしっかり芯があります。少しボワついて聞こえる曲もありますが、イコライザーの調節でなんとかなるので全然許容範囲です。映画「ミュウツーの逆襲」のOP曲になっている「めざせポケモンマスター’98(松本梨香)」はドラムが神保彰さんが担当しているということもあり、量販店でのイヤホン試聴の際によく聞く一曲です。「ポケモン、ゲットだぜー!」の歌い出し後のタムロールで、思わず頷いてしまいました(笑) 高校時代にバンドでドラムをやっていた経験上、ドラムの音色に関してはどうしてもこだわりがあります。

中音域はやや控え目な印象なので、XBA-A3で一聴するとドンシャリ気味に聞こえるかもしれませんが、ボーカルが極端に引っ込んでいるということはありません。W20と比較するとむしろボーカルがより近くで聞こえて、前に出てきている印象を受けます。

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イヤホンのリケーブルも試してみました。手持ちのMMCX端子のケーブルはW20に使っているFURUTECHの「iHP-35M」しかないので、とりあえず付けてみました。先ほど紹介したeイヤホンのXBA-H3リケーブル特集にiHP-35Mが出ていますので、併せて参考にしてください。

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ハウジング側の端子はMMCXをSONYが独自にカスタマイズしたものになっており、サポートはされませんが他社製のMMCXケーブルにリケーブルをすることが可能です。ケーブルのMMCX端子の形状によっては装着できないものもあるようなので注意。

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ブログ記事には書いていませんが、イヤホンジャックはオヤイデ電気の金メッキプラグ「P-3.5G」に交換しています。このジャック自体は700円前後で購入出来るので、eイヤホンなどに交換修理させるよりはずっと安く収まります。半田付けに自信がある方は試してみるといいかもしれません。(というかこの手の価格帯のイヤホンを使う変態な方ならやりますよね…?)

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2本繋がりのシールドケーブルなので見た目は一気にゴツくなります。iHP-35Mは純正ケーブルと同じ銀メッキ線ですが、音にしっかり個性があります。音質は純正ケーブルよりも低音傾向になり、ボーカルがやや一歩後ろに下がります。低音域は音圧が増して太くなり、ごりごりの低音好きの方はiHP-35Mでしっくりくると思います。高音は目に見えて(ここでは「耳に聞こえて」という表現がいいのでしょうか笑)おとなしくなるのが感じられますが、独特の艶があり、マイルドで聞きやすくなります。せっかくの「ハイレゾ対応」なので、シャープで解像感のあるしゃりしゃり感を楽しみたい方は純正ケーブルの方が幸せになれそう。

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またXBA-A3は音場が広めなので、持ち味の解像度の高さと相まって、楽器の位置をしっかり把握することが出来ますね。ハイレゾ音源を聞くととても楽しいですよ(笑)シンバル系の音色やボーカルの余韻、W20では感じることの出来なかった力強い低音を楽しめるイヤホン。これぞ求めていたデスク作業用のイヤホンです。


Camera: SONY A7R (ILCE-7R)
Lens: Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 4/24-70 ZA OSS
Lens: Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZF