iPhone, Mac, イヤホン, レビュー,

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デスク作業用に据え置きのポータブルアンプ「PHA-2」とハイレゾ対応イヤホン「XBA-A3」を導入したことで、パソコンでハイレゾ音源をじっくり聞ける環境が整いました。PHA-1からPHA-2に買い替えたことで192kHz/24bitまでのPCM音源を扱えるようになりサンプリングレートの高いハイレゾ音源も聞けるようになったのですが、192kHz/24bitの音源というと「残酷な天使のテーゼ」しか手元にないのです(笑) かと言ってDSD音源も敷居が高いよなぁ…と。
せっかくPHA-2を導入したのだから他に出来ることはないかなぁと考えてみると、「出先でハイレゾを聞けるようになるのでは?」と思いつきました。PHA-1はデジタル接続こそ出来るものの、ポータブル環境ではハイレゾ出力が出来ないのがネックでした。今回はiPhoneとPHA-2で「イチから」ハイレゾ音源を楽しむための覚え書きです。これからiPhoneでハイレゾ音源を聞きたい!という方、参考にしてみてください。

★SONY公式「はじめての”ハイレゾ”

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1. ハイレゾ音源を購入する

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ハイレゾ音源はiOSデバイス内でiTunes Storeで楽曲を購入するような感覚では入手出来ません。パソコンのブラウザーから「mora」や「e-onkyo music」といった音楽配信サイトからダウンロード購入します。Walkmanを使う方なら「mora」ストアはすでにお馴染みのはず。1曲500円前後で購入出来ます。またハイレゾ音源は一般的な.mp3音楽ファイルに比べてファイルサイズが膨大です。4分程度の楽曲で.mp3なら6〜8.0MBですが、例えば96kHz/24bitの.flacなら同じ曲で170MB程度にまで大きくなります。高音質が売りのハイレゾ音源ですが、楽曲ファイルのサイズが大きいので容量不足などに気をつけたいですね。まぁそんなこと滅多にないとは思いますが…

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2. iOSデバイスでハイレゾ音源再生アプリをダウンロードする

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iOSデバイスでハイレゾ音源を再生するためのアプリをAppStoreからダウンロードしておきます。ハイレゾ再生アプリとして有名なのは「FLAC Player (Dan Leehr L.L.C.)」か「ONKYO HF Player (オンキヨー)」の2つですが、僕は4月にリリースしたばかりの高機能プレイヤーアプリ「Ne PLAYER for iOS」を使っています。再生している音源がしっかり「ハイレゾ」として出力・再生出来ているかを確認できる「ハイレゾビジュアライザー」なるものを搭載しているので、耳だけで無く「今ハイレゾで聞いているゾ!」と視覚情報からもわかるのが特徴です。またハイレゾ音源だけでなくiPodアプリに入っている楽曲の再生もこのアプリで可能です。

radius Ne PLAYER – radius co., ltd.

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3. iTunesでiPhoneにハイレゾ音源を転送する

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Ne PLAYERにハイレゾ音源を転送するにはiTunesを使います。iTunesのiOS管理画面を開き、Appタブの「ファイル共有」からNe PLAYERを選択しましょう。右側に表示される「NePLAYERの書類」がハイレゾ音源のライブラリになりますので、ここにハイレゾ音源をぶち込んでいきます。右下の追加ボタンから.flacファイルを選択するか、.flacファイルをドラッグ&ドロップしても追加出来ます。

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4. iPhoneをDACに接続して聞く!

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アプリも落としてハイレゾ音源のデータも転送出来たので、あとは聞くだけですね!しかし、ここからがややこしいところかもしれません。
というのも、iPhoneとDACとの接続方法によってはハイレゾとして出力されないのです。デジタル接続で音楽を聞くのであれば、写真のようにiPhoneに付属してくるLightning-USBケーブルを使って接続する方法が一番手っ取り早くて簡単なのですが、これだと44.1kHz/48kHzになりハイレゾとして聞くことが出来ません。デジタル接続ですが、CD音質で聞いているだけです。

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Lightning-USBケーブル直結でハイレゾ音源を再生した時の様子がこちら。ビジュアライザーの表示が44.1kHzとなっています。

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5. じゃあどうしたらいいのん?

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そこでこいつの登場、Apple純正「Lightning-USB カメラアダプター」です。
このアダプターを介してDACに接続することで、USBオーディオをハイレゾ音質のままのデジタル信号としてDACに出力することが出来るのです。他にもiPad用の「Camera Connection Kit」や「Lightning-30pin アダプタ」を使ってもハイレゾ出力できるそうですね。iPhoneに付属してくるLightning-USBケーブルではハイレゾ出力されないので注意。

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アダプターとDACの接続にはmicroUSBケーブルを使いました

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これで準備万端。聞いてみましょう。

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ビジュアライザーの表示が96.0kHzの青表示になっているので、無事にハイレゾ音質で出力されています。

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アプリの紹介もおまけで少し。ライブラリ上部のiPhone・ハイレゾのタブを選択することでiPod内の音楽ファイルとハイレゾ音源のライブラリを切り替えることが出来ます。

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イコライザーも細かく調整できて自分好みのサウンドに。もちろんお好みのイコライザー設定も保存できます。

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iTunesから.flacファイルを転送してもライブラリにうまく反映されないことがあります。その時は「設定」タブの「HDライブラリの更新」を選択してやると転送した.flacファイルがライブラリに読み込まれます。まだ試してないのですが、「アップサンプリング」をONにするとハイレゾ音源じゃない楽曲ファイルでも最大48.0kHzまでアップサンプリングして再生することが可能です。

以上、iPhoneでハイレゾを楽しむための手順を簡単に書き連ねてみました。PHA-2のようなお高いDACを使わなくとも、手頃な値段で手に入るハイレゾ対応DACも出ています。もっともNe PLAYERのアプリを出している「radius(ラディウス)」からAL-LCH21のようなお手軽・コンパクトなDACもありますし。1万円ちょっと投資すればハイレゾを楽しめる環境は十分作れると思います。上を目指したらキリがない世界なのはカメラもレンズもオーディオも一緒ですけどね(笑)

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Lightning-USB カメラアダプター⇒microUSBケーブル⇒PHA-1でデジタル接続しようとすると「消費電力が大きすぎます」と怒られます


Camera: SONY α7R
Lens: Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 4/24-70 ZA OSS