イヤホン

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2016年度もDaily Kéitaismをよろしくお願いします。
さて新年一発目の記事ですが、まずはオーディオ製品のレビューになります。年末にいつもよりも大きめの臨時収入があったので、オーディオ環境への投資…ということでヘッドホンアンプ「PHA-3」と純正のバランス接続用リケーブル「MUC-M20BL1」を導入しました。昨年の春からPHA-2を使用してきましたが、PHA-2を導入したあたりからずっとバランス接続で音楽を聴いてみたいと思っていて、これで憧れのオーディオ環境がひとつ実現しました。

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PHA-3はSONYのポータブルアンプのラインナップではフラグシップモデルになりますね。外観を見てもすでにわかりますが、PHA-2と大きく違うところでPHA-3最大の特徴でもある「バランス接続」に対応した点。左右独立したアンプ構成になっているおかげでセパレーションが向上し、電源ラインのノイズを抑えてS/N値が向上。公式サイトやカタログには難しい単語ばかり並んでいますが、バランス接続による恩恵はとにかく定位感と解像感が格段に良くなることらしい。アンプ構成や電源回路を高音質化のために徹底しています。

バランス接続と似たような効果として、ケーブルのL/Rのグラウンドを分離する「4極GND分離出力」によるバランス接続がありますが、それとは別です。実はPHA-3の導入前に、4極バランス接続に対応したOPPOのポータブルアンプ「HA-2」でも幸せになれるか?なんて考えていたりしました。でもやっぱり、PHA-1・PHA-2とSONYさんが敷いた線路を走って順番に(従順に)ステップアップしてきて、これまでのヘッドホンアンプの音作りの違いをしっかり感じたかったのと、やはり…「バランス接続」への憧れを捨てられなかったので、PHA-3にしました。購入動機がもはや言い訳にしか聞こえないですね…。

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元箱を開けると最上級モデルらしい梱包で、本体がこんにちは。XBA-A3のパッケージもこんな感じでしたね。

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付属品一覧。「ウォークマン用デジタルケーブル」「Xperia用デジタルケーブル 」「マイクロUSBケーブル 」「音声ケーブル(ステレオミニ) 」「シリコンバンド ×4」「シート ×1」と各種説明書。撮影前にすでにパソコンに接続していたため、microUSBケーブルは撮り忘れました(笑)

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正面
バランス接続対応ですが、ノーマル接続ももちろん可能です。上部にはハイレゾ音源の再生で点灯する「Hi-Fs」「DSD」ランプがあります。

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背面
PHA-2と同じく入出力はスイッチで切り替えます。PHAシリーズでは初の光デジタル出力端子が付きました。またmicroUSBの充電専用端子が付いたので、電力供給を受けながら使うことが出来ます。

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側面にはGAINスイッチとDSEE HXスイッチ。XBA-A3をNORMALで使用すると全然音量が小さいのでHIGHにして使っています。
PHA-3にはバランス接続と同じぐらいの目玉機能として「DSEE HX」が搭載されています。これはハイレゾでない音源をハイレゾ相当にまで高解像度化する機能です。これについては私もPHA-3について調べるまで全然知らなかったのですが、今ではPHA-3以外でもハイレゾ対応のWalkmanやXperia、4K BRAVIA、ホームシアターシステムですでに使われている機能だそうですね。

実際に聴いてみると、曲によりけりですが「ちょっと音質良くなった?もしかしてプラシーボ効果??」ぐらいの、残念ながら微妙な変化に感じました。 320kbpsのAAC音源と192kHz/24bitのハイレゾ音源を聞き比べた時ほどのハッキリした違いは私の耳には感じられませんでした。

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PHA-2と前面の比較
角張ったデザインから丸みを帯びたデザインに変わりましたね。某レビューサイトでは「スタンガンからダイナマイトに変わっただけだろ」なんて言われてたりしますが…

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PHA-2と背面の比較
出力切り替えのスイッチがPHA-2では側面にありましたが、PHA-3では背面に。

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PHA-2と比べて大きくなったように見えますが、なんと奥行きと厚みは同じ寸法です。幅だけが1cm弱大きくなったようです。

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付属のシートはPHA-3上部のゴム足に乗らない小さいプレイヤーを乗せる際に使います。

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Walkmanを持っていないので、今は使っていないiPod nano(5th)を乗せてみました。

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続いて、一緒に購入したバランス接続対応の純正ケーブル「MUC-M20BL1」も開梱。外観こそMUC-M12SM1にそっくりですが、ステレオミニのジャックがL/R用の2本になっています。MDR-Z7やXBA-Z5にはバランス接続のケーブルが付属しているようですが、PHA-3でバランス接続をするならば必需品ですね。最近では銀線リケーブルの老舗「Beat Audio」からVermillionとSignalの2本に、バランス接続に対応したPHA-3向けのモデルが登場していたり。新品価格で5.5諭吉ほど…(笑)

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ジャック部はこんな感じ。L・Rと書かれていますが、ひっくり返すとSONYのロゴがプリントされています。

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DK160103-08097iPhone6と接続するとこのように。

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こちらの記事に詳しく書いていますが、iPhoneで44.1kHz/16bit以上のハイレゾ音源を聞くには「Lightning-USBアダプター」をかませてmicroUSBで繋ぐ必要があります。iPhoneに付属のLightningケーブルでもデジタル接続による高音質は楽しめますが、これはハイレゾではありません。

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ここからはいよいよPHA-2との音質比較のレビューを。iMacにPHA-3・PHA-2を接続し、.aiff形式のハイレゾ音源をiTunesで数曲聞き比べてみました。

ノーマル接続とバランス接続の音比べですが、音源を再生して最初の音が耳に入った瞬間に
おっ!?おっ………///
となります。私のようなオーディオにわかの方なら必ずニヤっとします(笑)
イヤホンは同じXBA-A3を使っているのでドンシャリ傾向が強いことには変わりないのですが、音の鳴り方がまるで違うのです。これがバランス接続による一番の恩恵で、定位感・解像感がとても良くなりました。PHA-2のノーマル接続よりも音の解像度がずっと高いので、楽器一つ一つを分けて集中して聞けますし、それらの位置をしっかりと把握できます。そうすると音場の広さも自然と感じられます。

ただ、最初の聞き始めは音場が広くなり分解力が上がったせいか、ちょっと迫力が無くなったようにも感じました。PHA-2では「まとまって耳に入ってきていた音を注意深く聞いて分解していた」ところを、PHA-3のバランス接続では「最初から解像度のある・分離された音として耳に入ってくる」イメージでしょうか。これは好みが分かれる音質だと思います。PHA-2は解像感こそあるものの、全体的に定位が低めで低音域を中心に音が作られている印象を受けます。PHA-2もなかなか洗練された良い音を出すので「バランス接続も聞いてみたけど、ウチはPHA-2の方が好みなのん」という耳の人がいてもおかしくないと思います。

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バランス接続によるオーディオ環境が実現したので、これでしばらくオーディオ沼は落ち着いたような気がします。次回は久しぶりに新しいレンズの紹介になるでしょうか…?


Camera: SONY α7R
Lens: Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 4/24-70 ZA OSS